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NEW★生ワクチンと不活化ワクチンの違いとは?帯状疱疹ワクチンのしくみをわかりやすく解説

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前回、帯状疱疹についてブログを書きましたが、今回はその予防に使われるワクチンのしくみについて少し掘り下げてみたいと思います。帯状疱疹ワクチンには、「生ワクチン」と「不活化ワクチン」という2つの種類があります。

効果や接種対象の違いが注目されがちですが、実は“ワクチンのつくられ方”自体にも大きな違いがあることをご存じでしょうか?

今回はその違いをわかりやすくご紹介します。

■生ワクチン:
ウイルスを“あえて弱らせて”使う生ワクチンは、病原体となるウイルスを弱毒化(=弱らせた状態)にし、体内に投与するタイプのワクチンです。この弱毒化は、ウイルスを人間の体内では増殖しにくい環境(たとえば動物の細胞や低温)で何代にもわたって培養することで行われます。その結果、病気を起こす力は弱まりつつも、免疫を刺激する性質は残したまま使用されます。
生ワクチンは自然感染に近い免疫反応を引き出す一方で、ウイルスがわずかに体内で増えるため、免疫力が低下している方には接種できないことがあります。

■不活化ワクチン:
ウイルスを“完全に無力化”して必要な一部だけを使う不活化ワクチンは、生きたウイルスを一切使わず、完全に無毒化したうえで、免疫を引き出す成分の一部(抗原)だけを使用します。帯状疱疹ワクチン「シングリックス」では、ウイルス表面の糖タンパク質(gE)を取り出し、そこにアジュバント(免疫を活性化させる補助成分)を加えて、免疫反応を効率的に高めるよう設計されています。ウイルスが体内で増えることはないため、免疫が低下している方でも接種可能なのが大きな特徴です。

帯状疱疹ワクチンにも応用されています
現在、国内で接種可能な帯状疱疹ワクチンのうち、「ビゲン」は生ワクチン、「シングリックス」は不活化ワクチンにあたります。ワクチンとひとことで言っても、そのしくみやつくられ方にはさまざまな違いがあります。
知ってみると意外と奥深く、選び方の視点も少し変わってくるかもしれません。帯状疱疹の予防を考える際の参考になれば幸いです!

ワクチンの違い

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