膀胱炎
膀胱炎とは、膀胱内の粘膜に細菌が付着して炎症を起こしている病気を指します。
主な症状としては、頻尿、排尿痛、残尿感、血尿などがあります(発熱はありません)。
膀胱炎は慢性のものと急性のものがあり、また原因によって様々な種類があり、「単純性膀胱炎」、「出血性膀胱炎 」、「複雑性膀胱炎」、「放射線性膀胱炎」、「間質性膀胱炎」、「腎盂腎炎」に分けられます。
膀胱炎の原因としては、一般的には細菌が尿道口から侵入して増殖することで発生します。
特に体調不良などで免疫が落ちている時や尿意の我慢を頻繁にしてしまうと細菌が繁殖しやすくなるので注意が必要です。
女性に多い膀胱炎
女性の体は尿の出口が膣の前側の壁にあり、また尿道が男性よりも短く3〜4cmの長さしかありません。
ですので体の構造上、細菌が侵入しやすいため膀胱炎になりやすく、男性の約5倍以上発症しやすいと言われています。
通常、女性は生涯の中で1〜2回は発症するとされており、20歳台の性的活動が多い時期と閉経前後の中高年期にピークがきます。
膀胱炎の症状
頻尿
膀胱炎になると、膀胱の知覚神経が刺激されて頻尿になりやすいです。
症状の強い方は10分毎にトイレに行ってしまいます。
ただし生成される尿の量は同じなので、一回の排尿量は少なくなります。
尿混濁
細菌が膀胱の中で繁殖することで、白血球や炎症を起こして剥がれた粘膜が尿と一緒に排出されて白濁した色になります。
尿に膿のようなものが混じり、匂いが気になるケースが発生することもあります。
血尿
炎症がひどくなっている場合は、目で見て分かるほどの血尿が出ることもあります。
血尿の色は出始めから終わりまで同じ色ではなく、出し終わる際に濃くなる排尿終末時血尿がほとんどです。
出血については、膀胱の一部からではなく、全体からの出血のケースがほとんどです。
上記の症状は放っておくと、排尿時以外でも痛みを感じるようになります。
また、膀胱炎は慢性化したり、再発性も高いものです。
悪化して膀胱炎から腎盂腎炎へと移行し、発熱や腰痛なども生じる場合もございます。
膀胱炎の診断・検査
膀胱炎が疑われる場合は、尿検査を行います。
検査では尿中の白血球反応、潜血反応、タンパク、糖などをチェックします。
尿はおりものなどが混じらないように出終わりのものを採取し、ほとんどの場合は採取から10分ほどで検査結果をお出しできます。
また場合によっては導尿を行うことがあります。
膀胱炎の治療
膀胱炎の治療は水分をこまめに取って排尿量を増加させることと膀胱内部で繁殖した細菌を死滅させるための抗菌薬の投与が大切になります。
ただし、最近は特定の抗菌薬では効かないタイプの細菌(耐性菌)もあるため初診時に尿の培養検査も併せて行うことで抗菌薬の適性使用にも努めます。
また、閉経後より膀胱炎を頻回に繰り返している場合には漢方薬やエストロゲン製剤で膣の粘膜環境を改善することで予防策を講じることもあります。