血尿(尿潜血陽性)・たんぱく尿

血尿(尿潜血陽性)

血尿とは、尿に血液が混じった状態を指します。
血尿には二種類あり、目で見て分かる「肉眼的血尿」と尿試験紙法による潜血反応で疑われ顕微鏡検査で診断される「顕微鏡的血尿(潜血)」に大別されます。
血尿が出た場合、尿を作る腎臓や尿の通り道に何らかの異常が起こっているサインになります。血尿が出る原因としては、糸球体腎炎、尿路腫瘍、尿路結石や尿路感染症が考えられます。また、血尿が出る際に痛みを伴う場合と痛みを伴わない場合がありますが、痛みを伴わない場合は、膀胱がんを始めとした尿路腫瘍の存在も考慮に入れて検査を行うことが大切です。
ただし、血尿症状の約40%は原因が不明の特発性腎出血に該当するとされており
血尿の精査の過程で尿路腫瘍や尿路結石、尿路感染症の存在が否定的にも関わらず血尿が遷延するケースも珍しくはありません。

血尿が症状として現れる疾患

良性疾患  悪性疾患

血尿の色

肉眼で確認できる血尿の場合、血尿の色によってどこの部位に異常があるか、どのような病気かを絞り込むことが可能です。

赤茶色、黒っぽい色

尿が作られたときに血液が混じったと考えられ、腎臓からの出血が疑われます。
血液が尿に混じってからある程度時間が経過すると変色して赤茶色や黒っぽい色になります。

オレンジ色

寝起きや運動後などで脱水症状が起きている場合、腎臓で尿が濃縮されてオレンジ色の尿が出る場合があります。
この尿が出た時はすぐにでも水分を補給するようにしましょう。
ただし、腎臓ではなく肝臓に問題がある場合もあり、このような時にもオレンジ色の血尿が出る場合があります。

鮮やかなピンク色、赤色

尿に出血が混じってから時間がまだあまり経過してない時にこのような色が出ます。
膀胱や尿道での出血が疑われ、考えられる疾患としては膀胱炎・腎炎・尿管結石です。

濃い赤色

尿道や膀胱に早期段階の悪性腫瘍ができている疑いがあります。
このような色が出た場合はすぐにでも泌尿器科へ受診するようにしましょう。
悪性腫瘍以外に考えられる原因としては、膀胱結石や尿路結石、膀胱がんなどがあります。

原因

血尿は悪性腫瘍や、尿路結石、膀胱炎など様々な疾患が原因で出ることがあります。
中でも、血尿で最も多い原因としては尿路結石です。
尿路結石ができる原因としては、食生活(高カロリー・高脂肪)や水分・運動不足など生活習慣、内分泌疾患、代謝異常など複数の要因が挙げられます。
結石が尿管に詰まると尿がせき止められ、腎臓内の圧が上昇して脇腹や下腹部などにも痛みが生じることがあります。
また、血尿の原因として、最も注意を払わなくてはならないのは尿路悪性腫瘍です。
悪性腫瘍は生命を脅かす危険なものもあり、早期発見が大切です。
早期には自覚症状がないものも多く、顕微鏡的血尿で見つかることも決して珍しくありません。少しでも心当たりがあるようでしたら泌尿器科を受診するようにしましょう。

検査方法

血尿を認めた場合には以下の検査の実施が検討されます。
決して、全ての検査を実施するわけではなく低侵襲な検査を先行して実施し、その結果を踏まえて追加の検査の必要性を検討します。当院では下記の検査、全てに対応をしております。

  • 尿検査
  • 尿細胞診検査
  • 超音波検査
  • 血液検査
  • CT検査(造影)
  • 膀胱尿道ファイバー検査

繰り返しになりますが血尿を認めたり、指摘されたら、まずは泌尿器科を受診するようにしましょう。

たんぱく尿

たんぱく尿とは、尿中にたんぱくが混じっている状態になります。
腎臓は血液中の老廃物をろ過し、尿として体外へ排出する働きを担っております。基本的にたんぱく質は体に必要な物質であるため尿中に排出されることはありません。腎臓の働きが正常に機能していないと、たんぱく質を大量に尿中に排出してしまいます。
一般的にたんぱく尿を指摘された場合、腎臓の疾患が疑われますが、その他の病気が原因の場合もあります。
また、たんぱく尿が生じる原因には、腎臓の疾患だけでなく、生理的たんぱく尿といい発熱や運動後、疲労、たんぱくの過剰摂取などで一時的に見られるものがあります。生理的たんぱく尿の場合は治療の必要はありません。いずれにしても、しっかりと検査を行い、原因を特定することが重要ですので、検診などでたんぱく尿を指摘された場合には腎臓内科や泌尿器科を受診することをおすすめいたします。

たんぱく尿が症状として現れる疾患

  • 糖尿病成人症
  • 慢性糸球体腎炎
  • 腎硬化症
  • ネフローゼ症候群
  • 生理的たんぱく尿

検査方法

  • 血液検査
  • 尿検査
  • 超音波検査
  • CT検査

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