泌尿器科の治療

前立腺生検

日帰り前立腺生検のおすすめ

日本国内では前立腺がんの患者数が増加傾向にあり、男性のかかり得るがんのうち罹患人数が最多となっております。
前立腺生検とは採血検査や画像検査などで前立腺がんの疑いを指摘された場合に前立腺の組織を採取する検査です。病理学的に確定診断をつけるうえで大切な検査となります。
この検査は、がんの存在を確認するだけでなく、その悪性度なども調べることが出来、その後の治療を選択するうえで重要になります。

日帰り前立腺生検のメリット

経会陰式前立腺生検とは「会陰」と呼ばれる陰嚢と肛門のあいだの部分から針を刺して細胞を採取する方法です。
低用量の腰椎麻酔下で行うためほとんど痛みがなく検査後しばらくの安静の後、その日のうちに帰宅して頂けます。
感染や出血などの合併症のリスクが経直腸的前立腺生検と比べると少ないこともメリットです。

日帰り前立腺生検の流れ

1ご自宅での準備

検査当日は朝食を抜いて頂きますが、少量の水分摂取は可能です。

2体調・同意書の確認

問診にて体調を確認し事前に用意した同意書を提出して頂きます。
問題がなければ血圧や脈拍などのバイタルを確認します。

3麻酔

十分に消毒を行なった後に腰椎麻酔もしくは局所麻酔をします。

4生検の準備・超音波検査

肛門から直径2cmほどの超音波プローブを挿入し前立腺の様子を確認します。

5前立腺の細胞を採取

会陰部から針を刺し前立腺の組織を採取します。穿刺自体は10分ほどで終わります。

6検査終了後

尿道や会陰部からの状態を確認して検査終了となります。
検査終了後、麻酔が切れるまでリカバリー室で休憩して頂きます。
最後に排尿して頂き問題が無ければ帰宅して頂きます。麻酔の影響で自身での排尿が困難になってしまったケースでは尿道カテーテルを1泊留置してご帰宅いただく可能性もあります。

7検査結果

病理検査の結果が出るには2~3週間ほど要しますので改めて外来にてお伝え致します。

日帰り前立腺生検の適応

前立腺がん検査の一環でPSAの採血を行い、異常値を指摘された方が候補になり得ます。PSAが4ng/ml以上の場合はがんの検出率が20%以上となり、MRI検査等で画像評価を行います。その結果、疑わしき所見を認めた場合に前立腺生検の実施を検討します。

日帰り前立腺生検の合併症

前立腺生検は会陰部から針を穿刺して組織を採取することから検査終了後に創部からの出血や血尿を認めることがあります。基本的には自然に改善しますが稀に血尿が続いたり前立腺炎などの感染症を合併することもあり、その際には追加の治療を行います。

日帰り前立腺生検前の注意点

前立腺生検では麻酔や組織の採取の際に針を刺すため抗凝固剤や抗血小板薬といった血をサラサラにする薬を内服されている方は一時的な休薬を検討する必要があります。
その際には処方をして頂いている先生に御相談させて頂き方針を定めます。

結果に関する注意点

前立腺がんが見つかった場合

前立腺がんが見つかった場合、がんが転移していないかを調べるために追加の画像検査を行い、ステージ評価をします。
治療法の決定に際しては、患者さんの年齢や体力、社会的背景も考慮した上でよく相談した後に決めることが大切だと考えております。
主な治療方法としては手術療法、放射線療法、ホルモン療法などがありますが、手術療法や放射線治療を実施する際には連携医療機関にご紹介をさせて頂きます。ホルモン療法は当院での実施も可能です。

前立腺がんが見つからなかった場合

PSAの値が高いのにも関わらず、がんが見つからない場合もあります。前立腺肥大症や前立腺の炎症後などで散見されますが、がん細胞の局在が極めて限定的で穿刺針に当たらなかったことで診断に至らなかったケースも考慮されます。そのため検査後も定期的なPSA検査の評価を行うことが大切です。

尿管ステント留置

尿管ステントとは腎臓から膀胱にかけての尿の通り道である尿管に留置する管のことです。
一般的には尿路結石の手術後に留置されます。ステントを留置することで、尿の通過障害(水腎症)を解消し、尿管結石の詰まりに伴う腰背部痛や発熱の軽減に役立ちます。

尿管ステントの役割

  • 尿路結石の体外への排出を促します。

  • 尿管結石が原因による尿管の閉塞で生じる激しい痛みを軽減させます

  • 尿路結石の手術後に生じる尿管の浮腫を軽減します。

  • 骨盤内腫瘍のリンパ節転移等による外因性の尿管通過障害に対して尿管の拡張をサポートします。

尿管ステントの留置期間

尿管結石の手術後、数日から~2週間程度留置します。
留置してから3ヶ月以上経過すると、ステント自体に結石が付着して抜去をするのに追加の手術を要する事もありますので決して放置してはいけません。
悪性腫瘍等の既往を理由に留置している場合はステントの素材にもよりますが3ヶ月に1回程度での交換を要します。

尿管ステント留置により発生する症状

尿管ステントが短期間、留置されていることで体に大きな悪影響はありませんが、頻尿や残尿感といった膀胱刺激症状や血尿を認めることがあります。
多くの場合は一時的であり自然と症状は軽快しますが特に症状が強い場合は追加の投薬を行うことがあります。

■手術はどのように行われるか?

仰向けの姿勢で、尿道から細い内視鏡を膀胱まで進めます。尿管の出口からカテーテルを挿入して造影剤を流し込むことで尿管の走行を確認してステントを留置します。
この際に男性の場合は尿道に麻酔薬を浸潤させることで痛みの軽減を図ります。

■手術後は?

尿管ステントを留置することで日常生活に制限はありません。ただし、過度な運動を行うと一時的に血尿や違和感等の症状が強くなることがあります。
また、尿管結石の閉塞や疼痛に伴う尿管ステント留置術はあくまで姑息的な処置としての位置付けになります。その後、根治手術を要する場合には近隣の医療機関にて治療を受けていただけるようシームレスな連携を行いますのでご安心ください。

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